根管治療

根管治療とは

根管(歯の神経の部分)に対して行う処置で大きく分けて2つあります。

抜髄

抜髄とは、虫歯の細菌が神経に到達したり、歯に亀裂が入ったりした場合に痛みを取り除くことを目的に神経を取り除く処置です。

感染根管治療

感染根管とは、根の中に繁殖した細菌が膿となり根の先から溢出し、周囲の組織に広がり、歯を支えている骨を溶かしてしまう様な状態を言います。

  • 虫歯などで神経が死んでしまい(失活)神経が腐った状態で放置した場合
  • 過去の不十分な根の治療による感染の再発
  • 合わない被せ物の隙間から虫歯になり、根の中に細菌感染が広がった場合
  • 元々状態が悪く難治性の状態になってしまった場合など

当院の根管治療の特徴

最新マイクロの導入

歯の根の本数、歯の形、その歯が細菌感染しているのか、どの根が感染していて、他の根は感染していないのか、そして何といってもその歯が「治療してよくなるかどうか」を当院で導入している最新機器で見極めます。

再治療、再根管治療の場合、少なからず歯にはダメージを与えるので、治療をすることで歯が持つのか持たないのか(歯の寿命が縮まるのか縮まらないのか)の診断は重要視します。あくまで歯を残して噛んでもらうという目標が根底にあります。

当院で導入しているFLEXION BASICPLUSについて

最大24倍の高倍率で根管内を見ることが可能になります。
高倍率で根管内を見ることにより肉眼では見ることのできない細かな亀裂や細い根管などを発見することができ、MI治療(Minimal Intervention)の治療が可能です。

根管治療を行うメリット

根管治療を行うことにより抜歯を避けることができる可能性があります。これが根管治療を行う一番のメリットです。

自分の歯を残すことができる

「自分の歯」を残せれば、そこに被せ物を取り付けて審美性・機能性を回復させることができます。抜歯して入れ歯・ブリッジ・インプラントを行うケースと比べると、お口の健康の損失を抑制できると言えます。しっかり噛むことができますし、気持ちの面でも「自分の歯」であることは、うれしいものです。

虫歯の痛みがなくなる

神経と炎症を取り除くことで、痛みが消失します。虫歯にならないことが何よりですが、虫歯になってしまった時は、できるだけ早く、治療を受けましょう。

根管治療を行うデメリット

1番のデメリットは時間がかかることです。根管内の細菌をなくすためには薬の交換を行い回数がかかりますのでおおよそ3ヶ月ほどかかることが多いです。

再根管治療が必要な場合もある

神経を取った歯は感染に弱く、将来的に再度根管治療が必要になる場合があります。また感染により歯を支える骨が大きく溶かされ、治癒の期待が見込めず、隣の歯を支える骨までも溶かしてしまうような場合は、残念ながら抜歯になってしまうこともあります。

当院の根管治療の流れ

問診・診断

まずは問診、口腔内検査を行い患歯の特定を行います。その後、レントゲン撮影を行い現在の状態を総合的に判断し、治療が必要と診断すれば治療を行います。それでもまだ検査が必要な場合はCT撮影を行い、歯根の状態をより精密に確認します。術前の診査診断が治療が上手くいくかどうかの鍵を握るので、当院では非常に大事にするところです。

神経の処置

細菌に感染した神経を取る治療によって、歯の中の細菌数をどんどん減らしていきます。このとき、拡大鏡・マイクロスコープを用いて歯を必要以上に削らないように細心の注意を払います。その後は電動の根管拡大器具とニッケルチタンロータリーファイルを用いて細い根管内の拡大を行います。

根管内洗浄

根管内をきれいにする為に根管洗浄を行います。根管内の洗浄は次亜塩素酸ナトリウムと生理食塩水・超音波のファイルを用いて、根管内を振動で掃除します。

根管へ薬を詰める

洗浄後、新たに感染が起こらないようにして水酸化カルシウム系製剤という強アルカリの薬を詰めます。効果は数週間ほどして現れるので、根管治療は複数回かかります。

根管充填

根管の中の細菌の無菌化が達成できたら根管充填材料(ガッタパーチャー)で空間を詰めていきます。この時にマイクロスコープ(拡大鏡)・バイオセラミック系と呼ばれるMTAセメントを用いたシーラー(接着剤)を用いて根管充填を行うので従来よりも緊密な処置が可能です。

土台(コア)と被せ物の作成

緊密な根管充填が終われば、あとはその上に土台(コア)を立てます。グラスファイバーを用いた土台(コア)を用いて行いますので従来の金属のコアに比べて破折のリスク(歯が折れてしまうこと)が非常に低くなります。その後は被せ物になりますが、健康保険の補綴物・自費診療の補綴物など種類がありますので相談してベストな方法を選んでいきます。

※注意 補綴物を自費診療にて行う場合は土台(コア)から保険適応外になります。